Objective-C/API の変更点

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#contents



*文字列(NSString)
**生成・初期化
:NSString *str1 = [[NSString alloc] init];|生成・空文字列で初期化。参照カウンタとは別管理のため解放は気にしなくてOK。
:NSString *str1 = @"";|同上
:NSString *str1 = [[NSString alloc] initWithString:@"abc"];|生成・指定文字列で初期化。参照カウンタとは別管理のため解放は気にしなくてOK。
:NSString *str1 = @"abc";|同上
:NSString *str1 = [NSString stringWithString:@"abc"];|コンビニエンスコンストラクタで生成・初期化。参照カウンタとは別管理のため解放は気にしなくてOK。
:NSString *str1 = [NSString stringWithFormat:@"abc"];|フォーマット付きのコンビニエンスコンストラクタで生成・初期化例１。オートリリースプールに登録されているので解放は気にしなくてOK。あえてreleaseで解放してもOK。
:NSString *str1 = [NSString stringWithFormat:@"i: %d", i];|フォーマット付きのコンビニエンスコンストラクタで生成・初期化例２。オートリリースプールに登録されているので解放は気にしなくてOK。あえてreleaseで解放してもOK。

※以降の説明では解放について省略しています。~


**基本
※以降の説明では「NSString *str1 = 」の部分を省略しています。NSString文字列は不変で、文字列の取り出しなども新たなインスタンスが別途生成され、別の参照変数で受けたりする必要があります。文字列以外を返すメソッドについては説明に何を返すか記述しています。
:[str1 stringByAppendingString:str2]|文字列の連結を行います。
:[str1 stringByAppendingFormat:@"i: %d", i]|フォーマットで整形した文字列の連結を行います。
:[str1 length]|文字列のバイト数を返します。
:[str1 description]|selfを返します。
:[str1 isEqualToString:str2]|文字列が一致するか比較します。一致する場合はYESを返します。
:[str1 compare:str2]|辞書順に比較します。結果はNSOrderedAscending, NSOrderedSame, NSOrderedDescendingのどれかです。
:[str1 caseInsensitiveCompare:str2]|大文字小文字を区別せずに辞書順に比較します。結果はNSOrderedAscending, NSOrderedSame, NSOrderedDescendingのどれかです。

※比較で利用可能なoptions:については後日整理予定


**一部取り出し
:[str1 substringWithRange:NSMakeRange(5, 15)]|指定した文字位置と長さの文字列を取り出します。
:[str1 substringToIndex:5]|先頭から指定した文字位置までの文字列を取り出します。文字位置の文字は含みません。
:[str1 substringFromIndex:5]|指定した文字位置から末尾までの文字列を取り出します。文字位置の文字を含みます。
:lineRangeForRangeとsubstringWithRangeを用いた１行取り出し|改行文字を区切りとして１行ずつ取り出します。
 int total_length = [str1 length];
 NSRange range = NSMakeRange(0, total_length);
 while (range.location < total_length) {
 	range = [str1 lineRangeForRange:NSMakeRange(range.location, 0)]; // 解析開始位置から１行の範囲を取得
 	NSLog([string substringWithRange:range]); // 文字列を取り出し利用します。この部分を適宜書き替えます。
 	range.location = NSMaxRange(range); // 解析開始位置を更新
 }
備考：lineRangeForRange:引数のlengthは通常0を指定します。文字数を指定すると、その分を含んだ以降の改行で区切ります。

改行文字一覧
|表記|説明|h
|\r, 0x0d|CR, 従来のMac OSの改行文字|
|\n, 0x0a|LF, Unixの改行文字|
|\r\n|CRLF, Windowsの改行文字|
|U+2028|Unicodeの区切り文字|
|U+2029|Unicodeのパラグラフ区切り文字|


**検索
:[str1 rangeOfString:str2]|最初に見つかった位置をNSRange構造体で返します。見つからないときはNSNotFoundを返します。
:[str1 rangeOfString:str2]|最初に見つかった位置をNSRange構造体で返します。見つからないときは構造体のlocationにNSNotFoundを返します。


**置換
:[str1 stringByReplacingCharactersInRange:range withString:str2]|指定した範囲の文字列を置換した文字列を返します。
:[str1 stringByReplacingOccurrencesOfString:str_to_find withString:str2]|指定した文字列をすべて置換した文字列を返します。


**整形
空白削除など後日整理予定


**型変換（文字→数値等）
|式|結果|変換内容|h
|[@"123" intValue]|123|10進数文字列→int値|
|[@"123" longLongValue]|123|10進数文字列→long long値|
|[@"1.23" floatValue]|1.23|float値文字列→float値|
|[@"1.23" doubleValue]|1.23|double値文字列→double値|
|[@"YES" boolValue]|YES|BOOL値文字列→BOOL値 備考：数値文字列と見て値が０かどうか、それ以外は先頭文字がY, y, N, nで判断。@"001", @"Yeh!"は共にYESとなる|
|[@"123" integerValue]|NSInteger型の123|10進数文字列→NSInteger値|




**文字コード変換
指定可能な文字コード一覧
|NSASCIIStringEncoding|7bit ASCIIコード|h
|NSUTF8StringEncoding|Unicode(UTF-8)|
|NSShiftJISStringEncoding|日本語Shift JIS文字コード|
|NSISO2022JPStringEncoding|電子メールなどで使われるJISコード|
|NSJapaneseEUCStringEncoding|日本語UNIXシステムの標準文字コード|
|NSMacOSRomanStringEncoding|Mac OSのエンコード|

:NSString *str1 = [[NSString alloc] initWithCString:"abc" encoding:NSUTF8StringEncoding];|C文字列で生成・初期化します。
:NSString *str1 = [NSString stringWithCString:"abc" encoding:NSUTF8StringEncoding];|同上（コンビニエンスコンストラクタ）
:char *cstr1 = [str1 cStringUsingEncoding:NSUTF8StringEncoding];|C文字列を生成・初期化します。（コンビニエンスコンストラクタ）
:int byte_count = [str1 lengthOfBytesUsingEncoding:NSShiftJISStringEncoding]|指定したエンコーディングとした場合に必要なバイト数を返します。末尾のヌル文字は含みません。

initWithData:encoding:, dataUsingencoding, canBeConvertedToEncodingについては後日整理予定。


**web系の変換
URLエンコードした文字列を返すときはサンプルのように記述します。~
stringByAddingPercentEscapesUsingEncoding:メソッドは「(0×20)"#%><[\]^`{|}」しかエスケープせず、「$&+,/:;=?@」をエスケープしないようです。次のようにするのが定石のようです。
 NSString* encodeURIComponent(NSString* s) {
 	return [((NSString*)CFURLCreateStringByAddingPercentEscapes(kCFAllocatorDefault,
 		(CFStringRef)s,
 		NULL,
 		(CFStringRef)@"!*'();:@&=+$,/?%#[]",
 		kCFStringEncodingUTF8)) autorelease];
 }


**その他変換
:[str1 lowercaseString]|小文字に置換した文字列を返します。
:[str1 uppercaseString]|大文字に置換した文字列を返します。
:[str1 capitalizedString]|単語の先頭だけ大文字に置換した文字列を返します。


**パスの操作
拡張子を取得するpathExtensionなど多数のメソッドが有ります。詳細については後日整理予定


**ファイル入出力
後日整理予定
propertyListメソッドを用いたプロパティリストファイルからのデータ読み出しは次を参照してください
http://blog.syuhari.jp/archives/1723

プロパティリストファイル：XMLと同様な記述のファイル。拡張子はplistでXcodeから編集可能



*NSMutableString
変更操作が可能な文字列です。インスタンス内容を直接変更します。NSStringのサブクラスですので、NSStringのメソッドも使えます。


**生成・初期化
:NSMutableString *mstr = [NSMutbleString stringWithCapacity:1000];|メモリ容量を指定して生成・初期化します（コンビニエンスコンストラクタ）。メモリは必要な時点で拡張されます。オートリリースプールに登録されているので解放は気にしなくてOK。あえてreleaseで解放してもOK。コンビニエンスでないinitWithCapacity:も有りますが、オートリリースプールに登録していると解放し忘れないのでこちらを使えば良さそうです。ただしイベント処理が終わるとオートリリースプールは開放されるので、イベント処理をまたぐ場合は直後にretainし、不要なところでreleaseする必要があります。


**設定
メソッドが返すのはvoidです。インスタンス内容を直接変更するため、式の左側に「変数 = 」と受けてはいけません（以降の説明も同様）。
:[mstr setString:@"abc"];|指定した文字列を設定します（コピー）。


**追加
:[mstr appendString:str2];|末尾に追加します。
:[mstr appendFormat:@"i: %d", i];|末尾にフォーマット整形した文字列を追加します。


**挿入
:[mstr insertString:str2 atIndex:5];|指定した文字位置に挿入します。


**置換
:[mstr replaceCharactersInRange:range withString:str2];|指定した範囲の文字列を置換した文字列を返します。
:int replace_count = [mstr replaceOccurrencesOfString:str_to_find withString:str2];|指定した文字列をすべて置換します。置換回数を返します。
※利用可能なoptions:やrange:については後日整理予定


**削除
:[mstr deleteCharactersInRange:NSMakeRange(5,15)];|指定した範囲の文字列を削除します。